公式LINEのメリット・デメリット|個人事業主が使って分かること

SNSの投稿は3日に1回のペースで続いていて、保存の数も少しずつ増えてきました。それでも申し込みの連絡は、月に1件あるかどうかという状態が続いています。
その話をすると、たいてい「公式LINEをやったほうがいいですよ」と言われます。調べてみると、メリットが10個、デメリットが5個ならんだ記事がいくつも出てきて、書いてあることはどれも合っています。ただ、読み終えても「で、自分はやったほうがいいのか」が決まりません。
読む人が誰なのかを決めずに書いてあるからだと思います。友だちが数万人いる会社と、これから0人で始める一人の事業者とでは、同じ機能でも効き方がまったく違ってきます。
この記事は、一人か数人で仕事をしている規模に絞って書きます。実際に構築を請けている側から見て、効くメリットと効かないメリット、それに始める前に知っておきたい制約を並べるので、読み終えるころには自分が作るかどうかを決められるはずです。
機能の一覧は公式が詳しく書いているので、ここでは一人の規模だとどう効くか、のほうを出します。
公式LINEを含めたLINE集客の全体の流れは、次の記事にまとめています。
公式LINEのメリットは、届き方が変わること


メリットを長く並べても頭に残らないので、一人の規模で実際に効くものを3つだけ書きます。
投稿は流れて、メッセージは残る
SNSの投稿は見にきてくれた人の画面に並び、並んだあとは新しい投稿に押し流されていきます。昨日の投稿を今日わざわざ探しにくる人は、ほとんどいません。
公式LINEのメッセージは相手のトーク画面に届き、開くまでそこに残ります。家族や友人とのやりとりと同じ場所に届くようになることが、SNSとのいちばん大きい違いです。


ただ、届く場所が変わっても、読まれるかどうかまでは決まりません。ブロックしている相手には配信されない、と公式にも書かれています(料金プラン・LINEヤフー公式/2026年9月時点)。トーク画面に置かせてもらえる分、うるさくすればそのまま切られます。
ブロックがいつ起きたかを管理画面で見分ける手順は、公式LINEがブロックされる理由にまとめました。
無料で始められて、プランで機能が変わらない
初期費用はかからず、月額0円のコミュニケーションプランのままで、配信もチャットも使えます(同・LINEヤフー公式)。
見落とされがちなのが、プランによって使える機能に差がないことです。公式のよくある質問にも「料金プランによって利用できる機能に差はありません」と書かれていて、違うのは月に何通まで無料で送れるかと、枠を超えたときに追加で送れるかどうかだけです。標準の機能を超えて増やしたくなったときは外部のツールを足すことになり、候補になりやすい2つの違いはLステップとUTAGEの違いにまとめています。
ですから、最初から有料プランを選ぶ理由は無く、友だちが増えて枠に当たってから上げれば足ります。
1対1のやりとりは、通数に数えられない
チャットの送受信、登録直後に届くあいさつメッセージ、自動の応答メッセージの3つは、課金の対象となる通数に入りません(同・LINEヤフー公式)。
一人で回している規模だと、ここが思っているより効いてきます。予約の日時をすり合わせる、変更の連絡を受ける、持ち物を伝えるといったやりとりが無料の枠と関係なく使えるので、これまでメールや電話でやっていたことを、そのまま移せます。返信が1日に何十件あっても、金額は変わりません。
みんなに送る配信だけが有料で、一人ずつのやりとりは無料です。この線引きを知っておくと、プラン選びで迷わなくなります。
一人の規模だと、効かないメリットもある


ここからはデメリットの話で、どれも公式のページやマニュアルに書いてある仕様です。ただ、始めたあとに気づくと作り直しになるものが混ざっているので、始める前に目を通しておいてください。
友だちがどこから来たかは、ほとんど見えない
管理画面には「友だち追加経路」という分析があり、チラシのQRコードから来たのか、プロフィールのリンクから来たのかが分かる、という説明をよく見かけます。
ところが公式のマニュアルには、プライバシーの観点から、日ごとに20件以上の友だち追加がない場合は数値が表示されないと書かれています(分析 – 友だち・LINEヤフー公式/2026年9月時点)。経路ごとの合計も、選んだ期間で20件以上ないと「その他」にまとめられます。
1日に20人が登録する日は、一人で仕事をしている方にはそうそう来ないので、どの入口が効いているかは分からないまま進むことになります。性別・年齢・地域の内訳も、対象になる友だちが少ないうちは「不明」が並びます(同・LINEヤフー公式)。
では何を見るかというと、うちがお手伝いするときは、友だちの数そのものと、配信のあとに返信や予約が来たかの2つに絞っています。そうすると、見えないものを見ようとして分析画面をにらむ時間が要らなくなります。
通数は、回数と人数のかけ算で増える
通数の数え方は「送った回数 × 送った友だちの数」です(同・LINEヤフー公式)。1回の配信に吹き出しを3つまで入れられて、それで1通と数えるので、長く書いても通数は増えません。


月額0円のコミュニケーションプランで送れるのは月200通までで、友だちが50人いると、全員への配信は月4回で枠を使い切ります。ライトプランは月5,000円(税別)で5,000通、スタンダードプランは月15,000円(税別)で30,000通です。
気をつけたいのは、コミュニケーションプランとライトプランでは、枠を超えた配信ができないことです(同・LINEヤフー公式)。1通ごとの追加ができるのはスタンダードプランだけなので、足りなくなった月は、その場でプランを上げることになります。
友だちが100人を超えたあたりから、この計算は先にしておいたほうが安心です。構築そのものを人に頼む場合の金額は、LINE構築の相場に別で書いています。
認証済アカウントは、名前をあとから変えられない
緑のバッジが付く認証済アカウントにすると、LINEアプリ内の検索結果に表示されるようになり、請求書での支払いや友だち追加広告も使えるようになります(認証済アカウントとは・LINEヤフー公式/2026年9月時点)。申請も利用も無料で、審査には5〜10営業日かかります。
ここに、あとから効いてくる決まりがあります。認証を申請したあとは、アカウント名を変更できません(同・LINEヤフー公式)。屋号を変える予定があるなら、先に確定させてから申請してください。
名前そのものにも条件があり、申込者の氏名と同じ名前や、個人を指す名前は通らない例として挙げられています。個人事業主の方はご自身の名前でSNSを運用していることが多いので、ここでいったん立ち止まって、店や事務所の正式な名前を先に決めておいてください。いま個人のLINEでお客さまとやりとりしている方は、名前を決めたあと、来店のついでに1人ずつ移ってもらい、来店が一巡するまでは両方で受けると、無理なく切り替えられます。案内文の例と移る順番は個人事業主の公式LINEに書きました。
名前の変更だけは、あとで戻せません。屋号が固まっていない段階なら、認証の申請は急がなくて大丈夫です。
SNSは続けたまま、公式LINEを受け皿にする


ここまで読むと、SNSをやめて公式LINEに移る話に聞こえたかもしれませんが、SNSはそのまま続けて、置き場所を分けるという話です。


SNSは出会う場所、公式LINEは続ける場所
知らない人に見つけてもらう力は、SNSのほうが強くあります。投稿が誰かの画面に運ばれていく仕組みは公式LINEには無いので、友だちはこちらから増やしにいくことになります。
反対に、見つけたあとの関係を続ける場所としては、流れていく画面は向いていません。3か月前に気になった人が、いまどこにいるのかを追いかける手段が無いからです。
投稿で出会い、公式LINEで続けて、予約や申し込みで決めるという3つを1か所でやろうとすると、どこかが薄くなります。投稿の数を増やしても申し込みが増えないときは、たいてい真ん中の「続ける場所」が空いています。
登録してもらう理由を、1つ決める
「公式LINEを始めました」というお知らせを1本流して終わると、押す理由が書いていないので、登録はあまり増えません。
よく使うのは、その日のうちに使えるものを1つ渡す形で、サロンなら次の来店までのあいだに自宅でできるケアの手順、士業なら申請の前に自分で確かめられる項目の一覧がそれにあたります。読んで終わるものより、手を動かせるもののほうがよく押されます。
渡すものを2つ3つ並べたくなりますが、選ぶ手間が増えるとどれも押されなくなるので、そこは我慢します。登録したあとに何を送るかは、LINEステップ配信シナリオの作り方で7通分の中身を出しています。
作ったまま止まっているアカウントがある、という方もよくいらっしゃいます。珍しいことではないので、気にしなくて大丈夫です。
配信画面を開く前に、決めておく3つ


開設の前に紙に書いておきたいことを、3つ挙げます。ここが決まっていれば、設定の作業そのものはすぐに終わります。


- アカウントの名前を決めます。認証を取るなら申請したあとは変更できないので、屋号や店の正式な名前を先に確定させておきます。
- 月に何通まで送るかを決めます。通数は回数と人数のかけ算で増えるので、友だちが100人になった月にいくらかかるかを先に計算しておきます。週に何回送るかの決め方は公式LINEの配信頻度の決め方にあります。
- 登録した人に最初に渡すものを、1つ決めます。押してもらう場所も1か所にしておかないと、2つ並べたときにどちらも押されなくなります。
この3つが決まっていれば、アカウントの開設と最低限の設定はその日のうちに終わり、時間がかかるのはそのあとに書く文章のほうです。どこまで自分でやって、どこから人に渡すかは、LINE構築のやり方で分けて書いています。
メルマガとの違い、使っている人の数、送れるもの
始める前の相談でよく出る質問のうち、決めるときに迷いやすい3つに答えます。
メルマガと、何が違いますか
違いは、開かれる場所です。メルマガは受信箱に残りますが、ほかのメールに埋もれて、開かれないまま残りがちです。LINEは家族や友人とのやりとりと同じ画面に届くので開かれやすい反面、続けて送るとすぐに外されるため、通数を絞って1通ずつに意味を持たせる必要があります。メルマガは残るもの、LINEは届くものと役割が違うので、メルマガを続けながらLINEを足す形で使えます。
どれくらいの人が使っていますか
LINEヤフーの公表では、LINEアプリの月間アクティブユーザーは1億人です(2026年3月末時点・同社調べ。出典:LINE公式アカウント|LINEヤフー for Business)。一人の規模の事業で意味があるのは、数の大きさより、相手がすでに使っていることのほうで、新しいアプリを入れてもらう手間が無いぶん、登録の入口が軽くなります。
アンケートや動画も、送れますか
送れます。ただ、一人の規模で先に決めるのは、何を送れるかより、登録した人に最初に渡すもの1つのほうです。動画はあいさつメッセージの中で顔と声を見せるのに向いていて、アンケートは登録直後に1問だけ聞き、その答えで送るものを分ける材料にするくらいが続けやすい使い方です。
作るかどうかは、届き方と通数の枠を見て決める
公式LINEのいちばんの違いは届き方で、投稿は流れていき、メッセージは開くまで残ります。初期費用はかからず、プランで使える機能も変わらないので、違うのは通数の枠だけです。1対1のチャットとあいさつメッセージは、その通数にも数えられません。
その一方で、友だちの流入元は1日20件以上ないと表示されないので、見る数字は友だちの数と配信後の返信・予約の2つに絞ります。認証を申請するとアカウント名はあとから変えられないので、名前は先に決めておきます。そのうえでSNSと公式LINEを出会う場所と続ける場所に分ければ、SNSで出会った人を受け止める場所ができます。
当社のLINE・UTAGE構築では、開設と初期設定から、登録の入口づくり、配信の文面までをまとめてお引き受けしています。すでにアカウントをお持ちなら、途中から入ることもできます。
作るかどうかから、一緒に考えませんか
友だちが0人の状態からでも、登録してもらう理由と、最初に渡すものまでは決められます。無料集客診断では、いまのSNSの投稿を見ながら、公式LINEを置く場所とその中身を一緒に整理します。
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