ホームページの原稿の書き方|制作を頼む前に自分で書く5ページ

開業して3か月、家事が終わった夜にスマホで制作の相談先を探していて、気になったページに「原稿と写真はご用意ください」と書いてあるのを見つける。名刺に載せるURLがほしくて、予算は10万円以内と決めているものの、何をどこまで書けば「原稿」になるのかが分からないまま、ほかのホームページを眺めては画面を閉じている。
ホームページの原稿は、いきなり文章を書き始めるより先に、ページごとに「開いた人が知りたいこと」と「読んだあとに押す場所」を1行ずつ決めてから書くと、何を書けばよいかが見えてきます。この記事では、トップ・サービス・料金・プロフィール・問い合わせの5つのページに書くことと、制作する人へ1ページ1枚の形で渡すやり方、渡す前の確かめ方を、出張で家族写真を撮る仕事を一人で始めた人の例で順に書きます。
書いているのは、開業したばかりの事業者のホームページづくりをお引き受けしていて、自社の制作のページでも、原稿や写真のそろい方で公開の時期が前後するとご案内している株式会社GORAQUEです。
あなたの仕事をいちばんよく知っているのは、あなた自身です。上手な文章でなくても、お客さまに話している言葉のまま書いてもらえれば、それがいちばんの材料になります。
ホームページの原稿の書き方は、ページの役目を決めてから


ホームページの原稿というと文章だけを思い浮かべがちですが、ページごとの見出しと本文、そこに置く写真、読み終えた人に押してもらうボタンの行き先までをそろえておくと、制作する人に渡したあとの話が進めやすくなります。決まった書式があるかどうかは、頼む先に一度確かめておきます。制作する人はデザインや画面の作りには詳しくても、あなたのお客さまのことまでは知りません。どんなことで迷い、どんな言葉で相談してくるかをいちばんよく書けるのは、仕事をしている本人です。
書く前に、ページごとに2つを1行で決める
文章に取りかかる前に、紙かスマホのメモに5つのページの名前を縦に並べ、それぞれの横に「このページを開いた人が知りたいこと」と「読み終えたあとに押す場所」を1行ずつ書きます。トップなら「誰の、何をしてくれる人か」と「サービスを見る」、料金なら「結局いくらで、何が含まれるか」と「問い合わせる」という具合です。1ページで答える問いを1つに絞っておくと、そのページに書かなくてよいことも決まります。


この表ができると、たとえばトップに料金の細かい説明を書き込んだり、プロフィールにサービスの手順を書いたりと、1つのページにいろいろな話が混ざるのを防げます。5つのページの名前と問いが並んだこのメモは、制作の相談のときにそのまま見せられる資料にもなります。
お客さまが口にする言葉で書く
Googleは「SEO スターター ガイド」の中で、そのテーマに詳しい人と詳しくない人では検索に使う言葉が違うことがあると、「シャルキュトリ」と「チーズボード」の例を挙げて説明し、読者がどんな言葉で探すかを考えて書くようすすめています(Google 検索セントラル「SEO スターター ガイド」)。出張で家族写真を撮る仕事なら、自分では「ロケーションフォト」と呼んでいても、相談してくるお客さまが「近所の公園で家族写真を撮ってほしい」と言うなら、見出しや本文にはお客さまの言い方を使います。
同じガイドには、わかりやすく自然な言葉を使い、長い文章は段落に分けて見出しを付けるようにとも書かれています。お客さまから実際に届いたLINEやメッセージ、会ったときに聞かれたことをメモに書き出しておきます。その言い回しを原稿のあちこちで使うと、読む人が自分のことだと気づきやすい原稿になります。
お客さまから届いたLINEの一言は、そのまま見出しに使ってもいいくらいの材料です。消さずに残しておいて、書くときに読み返してみてください。
5つのページに、それぞれ書くこと


役目が決まったら、ページごとに中身を書いていきます。最初は1枚のページで作る場合も、トップの中に「サービス」「料金」「プロフィール」「問い合わせ」の欄を上から順に並べるだけなので、書くことは同じです。当社のホームページ制作でも、いちばん小さいミニマムプランはトップページにお問い合わせなどのページを添えた構成です。本文の長さは、そのページの問いに答え終えたところで止めてかまいません。


トップは、最初の2行で「誰の、何を」
トップの原稿でいちばん時間をかけたいのは、開いてすぐ目に入る最初の2行です。「〇〇フォトのホームページへようこそ」というあいさつより、「小さなお子さんのいるご家族の、近所の公園での家族写真を、枚方市とその周辺へ出張して撮っています」のように、誰の、何を引き受けているかを書くと、開いた人がその場で自分向けかどうかを決められます。その下には、サービスの短い説明と、どこへ進めば料金や申し込みが分かるかを置きます。
サービスは、当日の流れと時間まで
サービスのページには、何をしてくれるのかに加えて、申し込んでから終わるまでの流れと、それぞれにかかる時間を書きます。家族写真の撮影なら、日にちと場所の決め方、雨の日にどうするか、当日は何分くらい撮るのかを書きます。写真をいつ、どんな形で受け取れるのかまで書いておくと、はじめて頼む人がその日の様子を思い浮かべられます。
料金は、総額と含まれるものを並べる
料金のページでは、金額だけでなく、その金額に何が含まれ、どんなときに追加の費用がかかるのか、キャンセルしたらどうなるのかを並べます。料金の下には、総額やキャンセルのように問い合わせの文面には書きにくい迷いを、質問の形で置いておきます。答えは1文目で「はい」か「いいえ」、または金額の決まり方から書くと、読んだ人がその場で迷いを片付けられます。質問の集め方と答え方の例はホームページのよくある質問の作り方に書きました。
頼んでくれたお客さまの感想が1件でもあるなら、料金と質問のあいだに置いておくと、金額を見て迷った人が、自分と似た人も頼んでいることを確かめられます。どんな人が、何を頼み、終わってどう感じたかが分かる形で書くのが基本で、件数が少ないうちの載せ方はホームページのお客様の声にまとめています。
プロフィールは、経歴より先に相談の中身を
プロフィールは、問い合わせる前の人が「この人に頼んでよさそうか」を確かめに来るページです。写真と名前と仕事、誰のどんな相談を受けているか、その相談に役立つ経験、この仕事を始めた理由、相談の入口の順に置き、生まれた年や学校の名前のように頼むかどうかの判断に使われない行は省いてかまいません。プロフィールに置く項目ごとの書き方と、書き直す前と後の例はホームページのプロフィールの書き方に載せています。
問い合わせは、項目を3つにして返事の目安を書く
問い合わせのページの原稿は、フォームに並べる項目と、その上に置く短い案内文です。項目は名前・連絡先・相談したいことの3つに絞ります。連絡先はメールか電話か、自分が返事をする方法に合わせて1つにし、相談の欄には「撮りたい時期と、ご家族の人数を書いてください」のように書く内容の例を添えます。何日以内に返事をするかの目安も書いておくと、送ったあとの待ち時間を相手が見込めます。
5つ全部をいっぺんに書こうとすると疲れてしまいます。1晩に1ページずつ、少しずつ進めれば十分なので、焦らずに書いてみてください。
制作する人には、1ページ1枚で渡す


書いた原稿は、1ページにつき1枚に分け、画面の上から順に、ページ名とその役目、見出し、本文、写真、押す場所の5つを並べて渡します。こうしておくと、制作する人がどこに何を置くかを決めやすくなります。ここでいう1枚は、ページごとに分けた1つのメモや文書のことで、紙1枚に収める必要はありません。WordやGoogleドキュメントでも、スマホのメモでもかまわないので、ページの名前を1行目に書いてから中身を続けます。


写真は、手元にあるならファイル名を書き、まだ撮っていないなら「公園で子どもを抱き上げている父親を、横から撮った写真」のように、どんな場面を撮る予定かを書いておきます。料金の端数や受付の曜日のように、まだ決まっていないところは、【未定:受付の曜日】のように何が決まっていないかと、いつごろ決めるかを書いて渡します。そうしておくと、その場所を空けたまま進められるかを、制作する人と話して決められます。
渡す前に、屋号と金額と地域の言葉をそろえる
渡す前には、屋号の書き方、金額、出張できる地域の3つが、5枚のどこでも同じ言葉になっているかを確かめます。トップでは「枚方市とその周辺」、料金では「枚方・寝屋川・交野」と書き分けてしまうと、読んだ人はどちらが正しいのか分からなくなります。渡す前に5枚を横に並べ、この3つだけ赤ペンで印をつけて見比べておきましょう。
そのあとで、はじめてホームページを開いた人のつもりになって、トップから問い合わせまでを順に読み、「で、いくらかかるの?」「どうやって頼むの?」と途中で引っかかったところに印をつけます。印がついた場所は、答える問いが書けていないページなので、そこだけを書き足してから渡しておくと、制作が始まってから聞き返される箇所を先に埋めておけます。
どうしても文章を書く時間が取れないときは、制作する側に頼む方法もあります。当社のホームページ制作では、文章の作成と写真の撮影をどちらもオプションでお引き受けしていて、まず11,000円(税込)でトップページの案を作り、実際のデザインを見て納得できたときだけ本制作へ進んでいただく形にしています。
今夜は、トップの最初の2行から書く


今夜はまず、スマホのメモに5つのページの名前を並べて、それぞれに開いた人が知りたいことと押す場所を1行ずつ書きます。そのあとで、トップの最初の2行、「誰の、何を引き受けているか」だけを書いてみてください。この2行が決まると、プロフィールの一文目や問い合わせの案内文にも同じ言葉を使えるので、残りの4ページが書きやすくなります。
最初の原稿は、きれいに整っていなくて大丈夫です。お客さまにいつも話していることが書いてあれば、言い回しは制作する人と一緒に整えていけます。
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