ChatGPTで問い合わせに返信する|下書きから自動化までの3段階

夜9時、最後の現場から戻って洗剤や脚立を車から降ろしたあと、スマホで「ChatGPT 問い合わせ 返信」と調べている。枚方でハウスクリーニングを1人で始めて5年、ホームページのフォームと公式LINEに届く見積もりの問い合わせには、その日のうちに返したいと思いながら、エアコンの台数や部屋の広さを読んで料金を計算し、空いている日を確かめて文章にするまでに、1通ずつ時間がかかっている。年末の大掃除の予約の問い合わせも届き始めて、せめて返信の下書きだけでもChatGPTに任せられないかと考えている。
ChatGPTに問い合わせの返信を頼むときは、いきなり自動にせず、1通の下書きを頼むところから段を踏むと、間違った返事を送ってしまう心配を抑えながら手間を減らしていけます。この記事では、名前や連絡先を消して下書きを頼む1段目、よく届く問い合わせの答えの材料をまとめておく2段目、届いたら下書きまでを自動で用意する3段目に分け、どの段まで進むかを自分の店の件数で決めるところまでを、ハウスクリーニングの例で順に書きます。
この記事は、事業者の方のAI活用の相談と、Claude CodeやCodexを使った仕組みづくりの支援を行い、2026年9月には北大阪商工会議所のセミナー「Canva×AIでインスタ運用ハック」で講師を務めた株式会社GORAQUEが書いています。
問い合わせへの返信は、お客さまと最初に言葉を交わす場面なので、AIに手伝ってもらうところと自分の言葉で書くところを、先に分けておきましょう。
ChatGPTで問い合わせに返信するなら、まず1通の下書きを頼む


1段目は、届いた問い合わせを1通ずつChatGPTに貼り付けて、返信の下書きを作ってもらう使い方です。ChatGPTは店の料金表も予定表も知らないので、問い合わせの本文と一緒に、返事に入れる金額と伺える日を自分で書き添えて頼みます。料金表から計算した2台分の金額と、伺える日を2つ書いたうえで、「エアコン2台の分解洗浄の見積もりへの返信です。公式LINEで送るので200字くらい、挨拶は1行だけにしてください」のように、どこに送るか、どのくらいの長さか、何を入れるかを最初に伝えると、直す手間の少ない下書きが返りやすくなります。
貼る前に、名前と連絡先を消しておく
問い合わせの文章をそのまま貼る前に、お客さまの名前、電話番号やメールアドレス、住所やマンションの部屋番号は消しておきます。返信の下書きに要るのは何を聞かれているかで、だれからの問い合わせかを渡さなくても文章は作れるので、名前は「お客さま」に置き換え、住所は「枚方市内」のように地域だけを残せば足ります。お客さまの名前は、下書きを送るときに自分で書き入れます。
あわせて、ChatGPTの設定も一度見ておきます。OpenAIのヘルプによると、「すべての人のためにモデルを改善する」をオフにすると、新しい会話はOpenAIのモデルの学習に使われなくなり、スマホのアプリでは、サイドバーからプロフィールアイコンを選んで設定を開き、「データコントロール」の中で切り替えられます。同じヘルプには、オフにしたあとでも回答に「いいね」などのフィードバックを送ると、その会話全体が学習に使われることがあるとも書かれているので、返信を頼んだ会話では評価のボタンを押さないでおきます(OpenAIヘルプ「ChatGPT のデータ管理」)。


送る前に、金額と日付と約束を読み直す
返ってきた下書きは、そのまま貼って送らずに、3か所を読み直してから送ります。1つ目は、渡した金額と日付が書き換わっていないか。2つ目は、「当日でも伺えます」「追加の料金はかかりません」のような、こちらが渡していない約束が書き足されていないか。3つ目は、問い合わせで聞かれたことに全部答えているかで、駐車場の有無や作業にかかる時間のように、問い合わせの後半に書かれた質問は見落としやすいので、問い合わせの文と下書きを並べて1つずつ確かめます。
文章を整えるのはAIに、金額と日付と約束は自分に。この分け方を決めておくと、送る前にどこを見ればいいかで迷わなくなります。
よく届く問い合わせは、答えの材料をプロジェクトにまとめておく


1通ずつ頼むのに慣れてくると、料金や伺える地域、作業にかかる時間のように、毎回同じことを書き添えていることに気づきます。2段目では、よく届く問い合わせへの答えの材料を1枚のメモにまとめ、ChatGPTのプロジェクトに入れておきます。
OpenAIのヘルプによると、プロジェクトは関連するチャットやファイル、指示をまとめて管理できる機能で、サイドバーの「新しいプロジェクト」から作り、PDFや表、文書のファイルを追加したり、テキストを貼り付けたりして参考資料にできます。プロジェクトの指示はそのプロジェクトの中のチャットだけに使われ、プロジェクトに追加の料金はかからず、2026年10月の時点では、無料版でもプロジェクトごとに5つまでファイルを入れられます(OpenAIヘルプ「ChatGPT のプロジェクト」)。「問い合わせの返信」というプロジェクトを1つ作って答えの材料のメモを入れ、指示の欄に「ハウスクリーニングの店の返信の下書きを作ります。金額と日付はメモと私が書いたものだけを使い、メモに無い約束は書かないでください」と書いておけば、毎回の頼みごとは、問い合わせの本文に、その日に伺える日とメモに無い答えを書き添えるくらいで済むようになります。下書きに入った金額は、送る前に料金表と合っているかを自分で確かめます。
メモに入れるのは、作業ごとの料金表、伺える地域、作業にかかる時間の目安、キャンセルや日程の変更の決まり、お受けしていない作業の5つが目安です。お受けしていない作業を書いておくと、対応していない作業の問い合わせが届いたときに、下書きのほうで「できます」と書いてしまうのを防ぎやすくなります。空いている日は毎日変わるので、メモには入れずに、その日の予定表を見て自分で書き添えます。


名前や連絡先を消してから貼ることと、送る前に3か所を読み直すことは、2段目に進んでも続けます。OpenAIのヘルプには、無料版やPlusなどの個人のプランで「すべての人のためにモデルを改善する」がオンになっていると、プロジェクトからアクセスした情報も学習に使われることがあると書かれているので、メモにはお客さまの名簿を入れず、店の決まりごとだけを書いておきます。
材料のメモは、最初から全部そろっていなくて大丈夫です。返信を頼むたびに書き添えたことを、あとからメモに足していけば、少しずつ店の答えの一覧になっていきます。
自動にするのは下書きまでにして、送るのは自分で


3段目は、問い合わせが届いたら、こちらが貼り付けなくても要点のまとめと返信の下書きが用意されている状態です。ChatGPTのチャットに貼り付けて頼む形のままでは、届いた問い合わせを自分で拾いにいく手間が残るので、ここから先は、パソコンの中のファイルを読み書きして決めた手順を最後まで進める、作業を任せるAIで仕組みにします。Claude Codeのような作業を任せるAIはプログラムを書かない人でも使い始められますが、任せる前に、どのパソコンのどのフォルダで動かすか、どこで止めて自分が確かめるか、パスワードはだれが入れるかを決めておく必要があります。決めておくことの中身はClaude Codeは非エンジニアでも使える?に書きました。
仕組みにするときも、お客さまへ送るボタンは自分で押す形にしておきます。届いた問い合わせを読んで要点をまとめ、返信の下書きを作って自分のLINEに知らせるところまでを自動にすれば、現場の合間に下書きを読み、金額と日付を確かめてから送れます。料金の見積もり、日程の変更、キャンセル、作業へのご不満への返事は、下書きがあっても自分の言葉で書き直してから送ると決めておくと、お客さまとの約束を自分の手から離さずに済みます。
仕組みにする前には、ホームページのフォームと公式LINEに届いた問い合わせをどうやってAIに渡すか、AIの有料プランやつなぐツールの利用料がどれくらいかかるかも確かめておきます。名前や連絡先を消してから渡すことも、仕組みの中に手順として入れ、はじめは自分で作った試しの問い合わせを流して、AIに渡る中身に名前や電話番号が残っていないかを見てから、本物の問い合わせに広げます。
どの段まで進むかは、届く件数と中身で決める
3つの段は、自分の店に合うところで止めてかまいません。問い合わせが週に数件で中身が毎回ちがうなら1段目のままで足りますし、同じような見積もりの問い合わせが続くなら2段目のメモが役に立ちます。3段目を考えるのは、2段目で下書きを読んで直すところまでは回っているのに、問い合わせを開いて貼り付けるまでの手間がまだ重いと感じるときです。1段目と2段目はスマホのChatGPTだけで続けられますが、3段目はパソコンでの設定が要るので、取りかかるなら現場の無い日にパソコンの前で時間を取ります。


3段目の仕組みを自分で組むのが難しいときは、人に入ってもらう方法もあります。当社のAIスタートアップ支援では、Claude CodeかCodexを事業者のパソコンに入れて初期設定し、問い合わせの要約をLINEやメールで知らせる、といった最初の自動化をその日のうちに動かして、手順のメモと一緒にお渡ししています。
明日届く1通から、下書きにかかった時間を測る


明日からの1週間は、1段目だけで試します。試す前に、いつも自分で返信を書くと1通に何分かかっているかをスマホのメモの1行目に書いておき、そのあとは問い合わせが届くたびに、名前と連絡先を消して貼り、金額と伺える日を書き添えて下書きを頼み、3か所を読み直して送るまでの時間を1行ずつ足していきます。
1週間たってメモを見たら、自分で書いたときより早く送れていれば続け、毎回同じことを書き添えていたなら、それを答えの材料のメモにして2段目に進みます。2段目に進んだあとも、問い合わせを開いて名前を消し、貼り付けるまでにかかった時間を同じメモに足しておくと、3段目を考えるかどうかの目安になります。下書きを直す時間のほうが長いままなら、頼み方を見直すところから始めます。思った答えが返らないときは、外れた答えを「店らしくない」「日付や数字が違う」「直す時間が長い」の3つに分け、日付や数字は自分で確かめたものを渡し、店の言葉と見本を添えると、答えが手元の事実に沿いやすくなります。分け方と頼み直しの例はChatGPTを使いこなせない|頼み方の前に、頼む仕事を選ぶにまとめています。
1週間のメモがたまれば、どの問い合わせをAIに手伝ってもらい、どれを自分で書くかを、かかった時間で決められます。手で書くほうが早い問い合わせが残っても、それも店に合った分け方のひとつです。
自分の店の問い合わせのどれをChatGPTに頼めるか、どこまで仕組みにするかを、一度人と一緒に見てから決めたいときは、AIスポット相談が使えます。オンラインか対面の60分で、いつもの作業を書き出しながらAIに任せるものと手で続けたほうが早いものを分け、ChatGPTの返事が思った形にならないといった困りごとも、頼み方をその場で一緒に試しながら見ていきます。相談のあとには、何をAIに任せるか、次に何から始めるかをまとめたメモをお渡しします。対面で伺える地域と交通費は、スポット相談のページに載せています。
問い合わせの返信を
どこまで任せるか、
60分で一緒に決めませんか
AIに詳しくなくても構いません。いまどんなふうに問い合わせへ返信しているかを伺うところから始めます。当日は、ふだんお使いのパソコンかスマホがあれば、頼み方をその場で一緒に試せます。無理な営業はいたしません。
1回60分・11,000円(税込)・オンラインか対面




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