SNS研修の講師の選び方|頼む前に決めることと、確かめること

来期の事業者向けセミナーの企画で、SNSのテーマを任されることになった。過去の講座の一覧を見返すと、会計や労務の回は毎年お願いしている講師がいるのに、SNSの回だけは毎回ちがう人で、受講者のアンケートにも「内容が難しかった」「もう知っている話だった」と両方の声が並んでいます。検索すると講師の紹介サイトや研修会社のページがたくさん出てきますが、どこを見て選べばいいのかが分からないまま、昼休みが終わってしまいました。
SNS研修の講師は、受講者と持ち帰ってほしいこと、形式と時間の3つを先に決めてから探すと、候補を比べる物差しができて選びやすくなります。この記事では、頼む前に決める3つ、形式による違い、講師の候補に確かめる5つを順に書き、最後に、候補へ送る最初の相談の文面と、受講者を集める告知の出し方まで進めます。
書いているのは、商工会議所や自治体の講座で、SNSやCanva、AIの活用をテーマに登壇している会社です。
講師を頼まれる側として、主催者の方と打ち合わせをするときに、最初に決まっていると助かることを並べました。SNSにくわしくない担当の方でも、この順で決めていけば、講師と同じ条件で話を進めやすくなります。
SNS研修の講師は、受講者と持ち帰ってほしいことを決めてから探す


講師の紹介ページを先に見ると、肩書きやフォロワーの数、扱えるSNSの多さに目が行き、受講者に合う人かどうかで比べにくくなります。先に決めておきたいのは、誰が受けるのか、受けたあとに何をしていてほしいのか、どんな形で何分にするのかの3つで、ここが決まっていれば、講師に「この内容で話せますか」と同じ条件で聞けます。


受講者は、SNSをどこまで使っているかで分ける
事業者向けのSNSセミナーで起きやすいのは、アカウントをまだ作っていない人と、毎日投稿している人が同じ会場にいて、片方には難しく、もう片方には知っている話になることです。過去の申込書やアンケートに業種と「いまSNSで何をしているか」を聞く欄があれば、それを見て、はじめての人向けか、続けているのに問い合わせにつながらない人向けかを決め、募集の文面にもその一言を入れておきます。
持ち帰ってほしいことは、明日やることの形で書く
「SNSの活用」「インスタ入門」のようなテーマの名前のままだと、講師によって話す中身が大きく変わります。主催する側は、聞き終えた人に持ち帰ってほしい1つを「プロフィールの1行目を、誰の何をする人かに書き直す」のような明日やることの形で一文にし、講師に渡します。講師はその一文を最後に置いて、そこから逆にスライドを並べられるので、講座の芯がずれにくくなります。講師の側の組み立て方は、セミナーのスライド構成で紹介しています。
形式と時間で、講師に頼むことが変わる


SNSの研修の形は、講師が話す講義だけの形、講義のあとに講師が画面で同じ操作をして見せる形、受講者が自分のスマホで実際に手を動かす実習の形の、おおむね3つに分けられます。講義だけなら人数が多くても進められ、実演が入ると操作の手順まで持ち帰れ、実習にすると、アカウントの有無や慣れに合わせて課題を分け、その場で1つ作業を終えて帰ってもらうことを目指せます。


時間は、形式とあわせて決めます。実演や実習を入れるなら、講師の説明に加えて、受講者が画面を見て追いかける時間や、つまずいた人を手伝う時間が要ります。最初の相談で講師に、質問とまとめまで含めて全体で何分要るかと、説明・実演・実習・質問・まとめの内訳を聞いておくと、最後の数分を削らずに済む長さを決められます。
実習にするなら、会場で先に確かめること
受講者が自分のスマホで手を動かす形にするときは、会場で使える通信の環境、スマホを充電できる電源、アカウントをまだ作っていない人をどうするかを、講師との打ち合わせの前に確かめておきます。募集の案内に「当日はスマホをお持ちください」「インスタのアカウントがある方はログインできる状態で」と書いておくと、当日の準備の負担を減らせます。それでも接続やログインでつまずく人はいるので、はじめに確かめる時間を数分取っておきます。
形式が決めきれないときは、そのまま講師に相談してもらってかまいません。受講者と持ち帰ってほしいことが決まっていれば、講師の側から、それに合う形と時間を提案できます。
講師の候補には、5つを確かめる


3つが決まったら、講師の候補ごとに次の5つを確かめます。紹介ページに書いてあることもあれば、問い合わせて初めて分かることもあるので、5つの項目を縦に、講師の候補の名前を横に並べた表を作り、候補ごとに埋めていくと比べやすくなります。
- 同じような受講者に話したことがあるか
商工会議所や自治体、業界団体での登壇があるか、そのときの受講者は事業者だったか、どんなテーマだったかを見ます。講師自身のフォロワーの数とあわせて、受講者と同じような地域の事業者のSNSを手伝った例があるかを聞いておくと、受講者に合う話ができるかを判断しやすくなります。 - 画面で実演するか、手を動かす時間があるか
説明のあとに、実際の画面で同じ操作をして見せるか、受講者が自分で触る時間を取るかを聞きます。前の章で決めた形式に、講師のいつものやり方が合っているかがここで分かります。 - 受講後に何が手元に残るか
スライド資料や操作の動画、テンプレートなど、受講者があとで見返せるものを渡してもらえるかを確かめます。配ってよい範囲と、録画をしてよいかも、ここで一緒に決めておきます。 - アンケートの質問をどうするか
主催者のアンケートに、講師の話し方や内容についての質問を足すのか、講師の側で用意してもらうのかを決めます。次の企画に生かすなら、「明日やろうと思ったこと」を書いてもらう欄があると、持ち帰ってほしいことが届いたかを確かめられます。 - 謝金と打ち合わせ
謝金の規程がある場合は、最初の問い合わせで先に伝えておくと、講師の側も形式や内容をその範囲で提案できます。打ち合わせを何回、対面とオンラインのどちらでするのか、当日は何時に会場に入るのかも、このときに決めておきます。


当社がSNSやCanvaのセミナーでお引き受けするときは、講義のあとに画面で同じ操作をして見せ、受講後には、アンケートへの回答と合わせて、スライド資料と操作の動画を受講者にお渡ししています。アンケートは、主催者の方のアンケートに講師への質問を足していただく形をおすすめしていて、謝金は自治体や公的機関の規程に合わせてご提案しています。受講者の声や登壇した団体はSNSセミナーの講師のページに、これまでの講座の一覧はセミナー・講演に載せています。
最初の相談の一通には、決めたことをそのまま書く


講師の候補に送る最初の問い合わせには、ここまでに決めたことをそのまま並べます。開催の時期が決まっていなくても、受講者と持ち帰ってほしいことが書いてあれば、講師は自分に合う依頼かどうかを早く判断でき、返事の中身も具体的になります。
文面は、たとえば「〇〇商工会議所の〇〇です。来年2月ごろ、会員の事業者向けにInstagramのセミナーを企画しています。受講者は、Instagramを始めたものの問い合わせにつながっていない小売・サービス業の方を想定し、受講後に、プロフィールの1行目を書き直してもらうことを目標にしたいと考えています。形式は講義と画面での実演の90分、当所の会議室での対面、定員は30名ほどです。謝金は当所の規程により〇円、交通費は別にお支払いする予定です。このような内容でお引き受けいただけるか、ご相談させてください」のように書けば十分です。
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数字で読む SNS集客 2026
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- SNS→LINE→予約の導線図と、最初の90日の進め方が手に入る
講師が決まったら、告知は公的な支援情報のサイトにも出す
講師が決まったら、受講者を集める告知に移ります。中小企業基盤整備機構が運営するJ-Net21には、国や都道府県の補助金・助成金、セミナー・イベントなどの支援情報をまとめて探せるページがあり、公的な機関やそれに類する機関の方は、掲載を希望する支援情報をフォームから送れるようになっています(J-Net21「支援情報ヘッドライン」)。所の会報や会員へのメールに加えて、こうした場所にも出しておくと、ふだんの案内が届いていない事業者の目にも入る機会ができます。
毎回ちがう講師にお願いしてきたことも、受講者に何が合うかを確かめる材料になっています。前回のアンケートの声を、今回の「受講者」と「持ち帰ってほしいこと」を決めるところに使ってみてください。
まずは、来期のSNSの回について、受講者と持ち帰ってほしいことを一文ずつ書き、形式と時間の候補を添えてみてください。その3行がそろえば、講師の候補に確かめる5つの表も、最初の相談の一通も、そこから書き始められます。
講座の中身から、一緒に決めませんか
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