スライド作成代行の相場|1枚いくらより先に決める3つ

スライド作成代行の相場は任せる範囲で変わる。見積もり前に決める3つ

来月の商工会の講座に向けて、平日の夜に自作のスライドを見返している。枚数は30枚ほどあり、前回の参加者から「文字が多かった」と言われた資料で、自分で直す時間が取れるかどうかも怪しい。誰かに頼めないかと検索してみると、1枚1,000円を切る料金も1ページ1万円の料金も出てきて、自分の資料ならいくらになるのかが見えてこない。

スライド作成代行の相場は、解説記事では1枚3,000円から1万5,000円ほどと書かれていて、料金を公開しているページを開くと、同じ出品者の料金表の中でも、どこから任せるかで単価がおよそ2倍から3倍に変わります。見積もりを取る前に、任せる範囲と枚数と受け取る形の3つを決めておくと、自分の資料の総額が出せて、頼むか自分で直すかも決められます。この記事では、公開されている料金を3つの段に分け、30枚の総額と単価の外にかかる費用を計算したうえで、依頼先に送るメモの書き方までを順に書きます。

書いているのは、商工会議所や市役所で登壇し、講演やセミナーのスライドの制作もお引き受けしている会社です。話す側と作る側の両方の目で書いていて、当社の料金も記事の最後に載せています。

1枚いくらかだけで比べると、あとから「それは別料金です」と言われて戸惑うことがあります。金額を見る前に、自分がどこまで任せたいのかを一度言葉にしてみましょう。

目次

スライド作成代行の相場は、どこから任せるかで決まる

スライド作成代行の相場は、どこから任せるかで決まる

クラウドワークスの解説記事は、パワーポイント資料の外注費用を1スライド3,000円から1万5,000円ほどとしたうえで、既存の資料を整える場合は基本料金1万5,000円から2万円にページ単価5,000円から7,000円、新しく作る場合は基本料金3万円から4万円にページ単価7,000円から1万円と分けて示しています(クラウドソーシングTimes「資料作成の相場を大紹介」)。実際の料金表も同じ分かれ方をしているかを見るため、2026年11月1日に、クラウドソーシングの出品ページと比較サイトの紹介ページ、制作会社のサイトを開いて確かめました。名前は伏せて、金額はページの表記のまま書いています。税の表記が無いものも含みます。

個人の出品で3段の料金表を出している2件を並べると、次のように分かれていました。1件目は、いただいた原稿を見やすく整える段が1ページ3,000円、ヒアリングと要点の整理、図解まで含む段が5,000円、構成の企画まで含む段が8,000円から1万円です。2件目は、イラストやアイコンを足して見やすくする段が1枚5,000円、図解や表、グラフまで作る段が6,500円、テキストや原稿から構成とデザインをまとめて作る段が9,000円でした。

1枚の単価は任せる範囲で変わることを示す3つのカード。整えるは1枚3,000〜5,000円、図にするは1枚5,000〜6,500円、構成からは1枚8,000〜1万円ほど。料金を公開しているページの例で、税の表記が無いものも含む
図1:1枚の単価は、任せる範囲で変わる

この2件から、3つの段に分けて考えると自分の資料の置き場所が決めやすくなります。話す順番も文章も固まっていて見た目を直したいなら「整える」、言いたいことは決まっているものの説明が文字ばかりで図にしてほしいなら「図にする」、話の順番から一緒に考えてほしいなら「構成から」です。「文字が多い」と言われたスライドは、見た目より先に1枚に載せる中身を減らす必要があるので、「整える」だけで足りるかどうかを、見積もりのときに資料を見せて確かめておきます。

制作会社は、1枚の単価の外に費用が並ぶ

制作会社の料金は、個人の出品とは組み立てが違います。比較サイトに料金が載っている1社は、ページの難しさで1ページ5,500円から、1万1,000円から、1万6,500円からの3段に分け、そのほかに企画構成費が一式5万5,000円から、テンプレートのデザイン費が一式5万5,000円から、進行管理費として制作費の合計の10%を挙げています。別の1社は、最低発注価格を新規の取引先で30万円(税別)と書いていて、1回の講座の資料だけを頼むなら、この金額が最初の目安になります。

今回開いた料金表の中でいちばん安かったのは、1枚999円(税込)で何枚でも作るという出品で、こちらは修正が1回まで無料、2回目から1回1,000円です。安い料金が悪いという話ではなくて、どの段の作業が入っていて、自分の手元に何が残るのかを見比べれば、金額の差の理由はたいてい読み取れます。

自作の資料を見せるのが恥ずかしいという声を聞くことがありますが、作る側にとっては、言いたいことが書いてある下書きがいちばんの材料になります。途中のままで構いません。

総額は、枚数と単価に外の費用を足して出す

総額は、枚数と単価に外の費用を足して出す

段が決まったら、枚数を掛けて総額を出します。単価を各段の下限の「整える」3,000円、「図にする」5,000円、「構成から」8,000円として30枚で計算すると、9万円、15万円、24万円になります。実際の見積もりは、依頼先や追加の費用で変わります。同じ資料を20枚に絞れば、6万円、10万円、16万円です。段を下げると任せる作業が抜けますが、枚数を3分の2にすれば、任せる作業はそのままで、枚数分の制作費が3分の2になります。

総額は枚数と単価の掛け算で動くことを示す3つのカード。整えるは30枚9万円が20枚で6万円、図にするは30枚15万円が20枚で10万円、構成からは30枚24万円が20枚で16万円。単価は各段の下限の3,000円・5,000円・8,000円で計算し、単価の外の費用は別
図2:総額は、枚数と単価の掛け算で動く

枚数を減らすときは、映すスライドと配る資料を分けるところから始めます。文字が多いスライドの多くは、話すためのものと配るためのものが1枚に同居しているので、話す用だけを残せば文字が減り、配るためだけに入れていた枚は外せます。1枚を2枚に分けて増えるところも出るので、数え直してから見積もりに出します。配る資料は、当日に書き込むA4の1枚と、終わってから開く詳しい資料の2つに分けて、頼むのは映す分だけにする形が取れます。手順の続きは文字が多いスライドを見やすくするに、配る資料の分け方はセミナー資料の配布に書いています。

単価の外にかかる費用も足しておく

総額を出すときは、1枚の単価に入っていない費用を足します。今回開いたページで見つかったのは、次の4つでした。

  • 基本料金と企画構成費
    クラウドワークスの解説記事の新規作成は基本料金3万円から4万円、上の制作会社の企画構成費は一式5万5,000円からです。
  • 進行管理費
    上の制作会社は、制作費の合計の10%を進行管理費としています。30枚で1ページ1万1,000円として、企画構成費とテンプレートのデザイン費を足し、この10%を乗せると、合計は48万4,000円からになります。
  • 急ぎの費用
    個人の出品では1ページあたり1,000円の上乗せ、上の制作会社では短納期の対応として制作費の合計の30%という例がありました。
  • 修正の費用
    無料で直してもらえる回数は依頼先ごとに違います。何回目から、いくらかかるのかを聞いておきます。

納期も段によって伸びます。1枚5,000円から9,000円の料金表を出している出品では、標準の納期が3段で7日、14日、21日でした。構成から頼むなら本番の1か月前には声をかけて、通常の納期で間に合うかを確かめておきます。

見積もりの前に、範囲・枚数・受け取る形を決める

見積もりの前に、範囲・枚数・受け取る形を決める

ここまでの2つに、受け取る形を足すと見積もりの条件がそろいます。講座を続けていくなら、次の回に日付や事例を自分で差し替えられるように、CanvaのデータかPowerPointのファイルで受け取れるかを先に聞いておきます。画像やPDFだけで納品されると、文字を自分で直しにくくなるからです。ファイルで受け取る場合は、使うパソコンが変わるとフォントが置き換わって文字がずれることがあるので、当日の予備にPDFも一緒にもらっておくと安心です。納品のあとに自分で作り替えて次の講座に使ってよいかも、ここで確かめておきます。

決めたことは、次の5行のメモにして依頼先へ送ります。どの依頼先にも同じメモを送れば、返ってくる金額を同じ条件で並べられます。

  1. 使う場面と聞く人
    例:商工会の講座で、地域のお店の店主さん20人ほどに話す。
  2. 話す時間と枚数
    例:90分で、いまは30枚。20枚に減らして頼みたい。
  3. 任せる範囲
    例:話す順番は決まっている。説明を図にするところから頼みたい。
  4. 受け取る形
    例:Canvaのデータで受け取り、次回は自分で日付を直したい。PDFも欲しい。
  5. 本番の日と欲しい日
    例:本番は12月10日。リハーサルをしたいので、12月3日までに欲しい。
見積もりの前に書く5行のメモ。使う場面と聞く人、話す時間と枚数、任せる範囲、受け取る形、本番の日と欲しい日。どの依頼先にも同じメモを送って比べる
図3:見積もりの前に、5行のメモを書く

当社でスライドのご依頼を受けるときも、はじめに伺うのは用途と届けたい相手、見てほしい順番の3つで、何を一番に伝えるかを決めてから形にしています。メモの3行目がうまく書けないときは、聞き終えた人に持ち帰ってほしいことを1つ決めて、その1つから逆に並べてみると、話の順番が見えてきます。並べ方はセミナーのスライド構成にまとめました。

メモが埋まらなくても大丈夫です。空いている行があれば、そこが相談のときにいちばん話したいところになります。

頼むか自分で直すかは、使う回数で決める

頼むか自分で直すかは、使う回数で決める

総額が出たら、その資料を何回使うかで割ってみます。月に1回の講座で1年使う資料なら、15万円でも1回あたり1万2,500円です。2回なら1回7万5,000円、3回なら1回5万円なので、その金額が講座の謝礼に収まるかどうかで決めます。1回きりの講座で、話す順番もまだ動きそうなら、頼むより自分で直すほうが合っています。1枚の中身を言いたい一文に絞って口で話せる部分を消す直し方は1枚2〜3分が目安で、30枚なら1時間から1時間半ほどです。まず今夜の1時間で進むところまで試して、それでも図が足りないと感じた数枚だけを頼む形も取れます。

今夜は、いまのスライドを開いて、映す分と配る分に印をつけ、残った枚数を数えるところまで進めてみてください。枚数が出たら、3つの段のどれに当たるかを決めて単価を掛け、5行のメモに書き写します。そのメモが1枚あれば、3社に聞くときも書き直さずに同じ内容を送れます。

ここまで自作してきた資料は、頼むときも土台として生きます。これまで話してきた順番や言葉は、ご本人にしか書けないものです。

当社のスライド/デザイン制作は、スライド1枚2,750円(税込)です。プレゼンや講演、営業の資料を話の順番から一緒に整理し、修正は2回まで無料で、3回目以降は内容に応じてお見積りします。画像・PDF・PPTX・Canvaのデータなど、用途に合わせた形でお渡しします。ボリュームに応じたセット割やお見積りもできます。

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この記事を書いた人

山崎 嘉久のアバター 山崎 嘉久 株式会社GORAQUE 代表取締役

株式会社GORAQUE 代表取締役。SNS運用顧問・SNS運用代行、LINE公式アカウント・UTAGE構築、デザイン制作を通じて、個人事業主と小さな会社の集客を支援しています。商工会議所や自治体の協議会で、SNS運用とデザイン制作をテーマに登壇。大阪府枚方市を拠点に活動しています。

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