ChatGPTを使いこなせない|頼み方の前に、頼む仕事を選ぶ

ChatGPTを使いこなせない|頼み方の前に、頼む仕事を選び直す

夜8時、店のシャッターを下ろして花の水を替え終えたあと、スマホで「ChatGPT 使いこなせない」と調べている。枚方市駅の近くで花屋を開いて7年、インスタの投稿文やギフトの問い合わせへの返信の下書きは、この半年ほど毎日のようにChatGPTに頼んできました。それでも、返ってくる投稿文はどこかで見たような言い回しで店らしくなく、市場の休みの日を聞いたら違う日付が返ってきて、返信の下書きは長すぎて直すほうに時間がかかる。自分には向いていないのかもしれないと、そろそろやめることも考え始めている。

ChatGPTを使いこなせないと感じたときに見直したいのは、頼み方のコツより先に、何を頼んでいるかのほうです。この記事では、思った形にならなかった答えを外れ方で3つに分け、日付や数字を聞く頼みごとを自分で確かめられる形に頼み直し、店の言葉と見本を先に渡して、頼む仕事を1つに絞った1週間で続けるかを決めるまでを、花屋の例で順に書きます。

この記事は、事業者の方のAI活用の相談と導入の支援を行い、2026年9月には北大阪商工会議所のセミナー「Canva×AIでインスタ運用ハック」で講師を務めた株式会社GORAQUEが書いています。

毎日頼んでいるのに思った答えが返らないのは、それだけ仕事の中で試してきたということです。やめる前に、どの頼みごとで外れているかを一度だけ一緒に整理してみましょう。

目次

ChatGPTを使いこなせないと感じたら、外れた答えを3つに分ける

ChatGPTを使いこなせないと感じたら、外れた答えを3つに分ける

「使いこなせない」と感じるとき、外れた答えはひとまとめに見えますが、店で起きていることを並べると、次の3つに分けて見ることができます。どれに入るかで直すところが変わるので、ここ1週間で「思った形にならなかった」頼みごとを、スマホのメモに3つほど書き出してみてください。

  1. 店らしくない答えが返ってくる。投稿文がどこかで見たような言い回しになり、店で使っている言葉や、お客さまへの話しかけ方と合わないときは、ChatGPTが店のことを知らないまま書いている、と考えられます。
  2. 日付や数字が違っている。市場の休みの日、配送の締め切り、料金のように、決まった答えがある事実をChatGPTに聞いて、違うものが返ってきたときです。
  3. 直す時間のほうが長くかかる。返信の下書きが長すぎる、いらない挨拶が何行も入る、一度に3つの返信を頼んで混ざる、といったときは、仕上がりの長さや頼む範囲を伝えきれていないことがあります。

花屋の例なら、クリスマスのギフトの投稿文が店らしくないのは1つ目、近くの市場の休みの日が違っていたのは2つ目、ギフトの問い合わせへの返信を直すのに15分かかっていたのは3つ目に入ります。書き出した頼みごとが3つのどれにも入らないときは、何が思った形と違ったのかを一言メモに足しておき、次の節を読みながらどれに近いかを考えてみてください。

ChatGPTの答えの外れ方と見直すところ。店らしくないときは店の言葉と見本を渡す、日付や数字が違うときは事実を自分の手元から渡す、直す時間が長いときは長さと範囲を先に決める
図1:外れ方で、見直すところが変わる

直す時間が長いときは、長さと範囲を先に決める

3つ目の外れ方は、頼むときに一言足すだけで変わることが多いので、先に片づけておきます。「インスタのDMで送るので、150字くらいで、挨拶は1行だけ」のように、どこに出す文章か、どのくらいの長さか、何を入れて何を入れないかを最初に書き、問い合わせが3件あっても1件ずつ別に頼むと、混ざったり長くなったりしにくくなります。

残りの2つは、一言足すだけでは直りにくく、日付や数字は頼む仕事そのものを選び直し、店らしさは渡す材料を足すところから考えます。次の節から、日付や数字が違っていたとき、店らしくなかったときの順に見ていきます。

3つに分けてみると、うまくいっている頼みごとも意外と残っていることに気づけます。直すのは外れた一部だけで済むので、気持ちも少し楽になるはずです。

日付や数字は聞かずに、自分の手元から渡して整えてもらう

日付や数字は聞かずに、自分の手元から渡して整えてもらう

ChatGPTを作っているOpenAIのヘルプでは、ChatGPTは役に立つものの常に正しいとは限らず、誤った日付や事実、存在しない出典を、自信があるような言い方で返すことがあると説明されています。あわせて、ChatGPTは最終的な情報源としてではなく初稿として使い、重要な情報は信頼できる情報源で確かめるよう勧めています(OpenAIヘルプ「ChatGPT は真実を伝えますか?」)。

同じヘルプには、プランによってはウェブを検索して出典つきで答える機能があり、正確さが大事なときはリンク先を直接開いて確かめるようにとも書かれています。市場の休みの日や配送の締め切りのように、答えが1つに決まっていて間違えると困る事実は、ChatGPTに聞いた答えをそのまま使わずに、市場の案内や配送会社のページを自分で開いて確かめておきます。

「教えて」を「この材料で整えて」に頼み直す

そのうえでChatGPTに頼むのは、自分が確かめた事実を材料として渡し、それを文章に整えてもらう仕事です。「クリスマスの配送の締め切りはいつ?」と聞くかわりに、「クリスマスのギフトの配送は12月20日の受付分まで。店頭の受け取りは24日まで。この2つを入れて、インスタのお知らせを200字くらいで」と頼めば、日付は自分で確かめたものが材料になり、ChatGPTには並べ方と言い回しを任せる形になります。返ってきた文章は、渡した2つの日付が変わっていないかと、渡していない条件が書き足されていないかを、送る前に読み直します。

この分け方で見ると、ChatGPTに向くのは、手元にある材料から文章を整える、投稿の書き出しの案をいくつか出してもらう、長くなった文を短くする、といった仕事です。反対に、営業日や締め切りの日付、料金や本数のような数字、お店や取引先の決まりごとは、自分で確かめたものを渡す側に回します。ChatGPTが返した答えを自分で正しいと確かめられない仕事は、その場では頼まないと決めておくと、外れた答えを送ってしまう心配が減ります。

ChatGPTに頼む仕事と自分で確かめる仕事。頼むのは手元の材料から文章を整える・案をいくつか出してもらう・長い文を短くする、自分で確かめるのは営業日や締め切りの日付・料金や本数などの数字・お店や取引先の決まりごと
図2:答えを聞くより、材料を渡して整えてもらう

違う日付が返ってきても、自分を責めなくて大丈夫です。店の答えを知っているのは自分のほうだ、と分けておくと、日付や数字の入る頼みごとで迷わずに済みます。

店らしい答えにするには、店の言葉と見本を先に渡す

店らしい答えにするには、店の言葉と見本を先に渡す

投稿文が店らしくないときは、まず店のことを伝える材料を渡せているかを見直します。ChatGPTは、枚方市駅の近くにある7年目の花屋で、仕事帰りに1本だけ買っていく常連さんが多く、店ではお客さまに「どなたに贈りますか」と話しかけている、といったことを知らないまま、どの花屋にも当てはまる文章を返しています。頼むたびに、店で実際に使っている言葉を2〜3個と、自分で書いて反応がよかった過去の投稿を1本、見本として一緒に貼っておくと、言い回しがその見本に寄った答えが返りやすくなります。

毎回伝えることは、カスタム指示に書いておく

店の名前や場所、よく来るお客さま、言葉づかいの好みのように毎回同じことを伝えているなら、ChatGPTのカスタム指示に書いておけます。OpenAIのヘルプによると、カスタム指示はChatGPTに回答のときに考えてほしいことを共有できる機能で、すべてのプランで使え、設定するとすべてのチャットに適用されます。スマホのアプリなら「設定」から「ChatGPT をカスタマイズ」を選び、「カスタマイズを有効にする」がオンになっていることを確かめて、「カスタム指示」の欄に書き込みます。保存できるのは、FreeとGoのプランで1,500文字まで、PlusやProなどのプランで5,000文字までです(OpenAIヘルプ「ChatGPT カスタム指示」)。

花屋なら「枚方市駅の近くの小さな花屋です。仕事帰りの方と、贈り物を選びに来る方が多い店です。文章はやわらかく、絵文字は1つまで。値引きや『必ず長持ちします』のような言い切りは書かないでください」のように、数行で足ります。店の言葉づかいは書き込んでも、お客さまの名前や電話番号は、カスタム指示にも頼みごとの文章にも入れないと決めておくと、あとで消し忘れる心配がありません。

ChatGPTのカスタム指示に書いておく4つ。店の名前と場所、よく来るお客さま、言葉づかいの好み、書かないでほしいこと
図3:毎回伝えることは、カスタム指示に書いておく

頼む仕事を1つに絞って、1週間で続けるかを決める

頼む仕事を1つに絞って、1週間で続けるかを決める

3つの外れ方を直したら、明日から1週間を目安に、ChatGPTに頼む仕事を1つに絞ります。これからAIを使い始める人に向けた記事で、最初に任せる仕事は、毎週か毎月同じ形でくり返している、文章や言葉で仕上がる、外に出す前に自分で読んで直せる、の3つの条件で選ぶと書きました。いま使っている人の選び直しにも同じ条件が使えるので、書き出した外れた頼みごとと、いまうまくいっている頼みごとを並べ、3つとも当てはまるものを1つ残します。1週間の仕事を書き出す手順と、名前や連絡先を入れる仕事をあとに回す理由はAIは何から始める?仕事で最初に任せる1つの選び方にまとめています。

花屋なら、週に何件も届くギフトの問い合わせへの返信の下書きが候補になります。試す前に、いつも自分で書くと1通に何分かかっているかをメモの1行目に書いておき、そのあとは頼んだ日と、直したところ、材料を貼ってから直し終えるまでの時間を1行ずつ足していきます。1週間たって記録が数件たまったらメモを見て、自分で書いたときより早く仕上がっていれば続け、毎回同じところを直しているなら、その直し方をカスタム指示に書き足してもう1週試し、それでも直す時間が減らなければ、その仕事は手で書くほうに戻します。問い合わせの返信を頼むときは、お客さまの名前や連絡先を消してから貼り、金額や日付は自分で確かめたものを書き添えて、送る前に読み直します。よく届く問い合わせの答えをまとめておく方法と、どこまで自動にするかの決め方はChatGPTで問い合わせに返信するときに書きました。

月末に仕入れの伝票と売上の表を突き合わせるような作業は、チャットで1回ずつ頼むより、作業を任せるAIで仕組みにするほうが向いています。Claude Codeのようなパソコンの中のファイルを読み書きするAIは、プログラムを書けない人でも使えますが、任せる前に動かすフォルダや自分が確かめる場面、パスワードの扱いを決めておく必要があります。決めておくことの中身はClaude Codeは非エンジニアでも使える?に書きました。

手で書くほうに戻す仕事があっても、使いこなせなかったことにはなりません。ChatGPTに向く仕事と向かない仕事が、自分の店の中で分かれたということです。

自分の頼みごとのどれを選び直せばいいかを、一度人と一緒に見てから決めたいときは、AIスポット相談が使えます。オンラインか対面の60分で、いつもの作業を書き出しながらAIに任せるものと手で続けたほうが早いものを分け、ChatGPTの返事がいつも思った形にならないといった困りごとも、頼み方をその場で一緒に試しながら見ていきます。相談のあとには、何をAIに任せるか、次に何から始めるかをまとめたメモをお渡しします。

思った形にならない頼みごとを、
60分で一緒に見直しませんか

AIに詳しくなくても構いません。いまどんなふうにChatGPTへ頼んでいるかを伺うところから始めます。当日は、ふだんお使いのパソコンかスマホがあれば、頼み方をその場で一緒に試せます。無理な営業はいたしません。

1回60分・11,000円(税込)・オンラインか対面

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この記事を書いた人

山崎 嘉久のアバター 山崎 嘉久 株式会社GORAQUE 代表取締役

株式会社GORAQUE 代表取締役。SNS運用顧問・SNS運用代行、LINE公式アカウント・UTAGE構築、デザイン制作を通じて、個人事業主と小さな会社の集客を支援しています。商工会議所や自治体の協議会で、SNS運用とデザイン制作をテーマに登壇。大阪府枚方市を拠点に活動しています。

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